01年夏・新潟〜秋田の旅

 


8月11日

 

 朝6時頃家を出る。北高崎駅まで輪行状態の自転車をキャスタ台(仮称)に乗せて押していると、キャスタが1個壊れてしまった。どうも、2年前に使ってそのままだったキャスタでは耐久性が足りなかったようだ。まだまだ改良の余地があるなぁ・・・。応急修理して再出発。高崎駅を6:59発の新幹線に乗るが、満員のところに嵩張る自転車を持って乗車したのでヒンシュクを買ってしまったようだ。反省。一応、そこら辺を考えて始発に乗ったんだけどなぁ。
 8時過ぎに新潟に着き、自転車を組み立てて9時頃出発。しかし、持ち前の方向音痴ぶりをフルに発揮してしまい完全に道に迷う。新潟市街を出るのに2時間くらいかかってしまった。距離にして10kmはロスしたと思う。今回は何かと幸先悪い・・・。
スッタモンダして何とか113号線に乗ることが出来た。道は基本的にフラットで走りやすい。しばらく走り、加治川を越えたくらいから日本海がチラチラと見え始める。日本海沿いを走るのは8年ぶりだ。が、そんな感慨にふけっている余裕は無かった。約2年ぶりの本格走行ですぐに首が痛み出したが、取り敢えずは我慢して走る。50km過ぎくらいでバテ始めたので、その後は5kmおきくらいに休憩を取りながら進む。
 休憩中に、今日の目的地を村上市を過ぎたあたりのキャンプ場に決める。ちょっと遠い気がするけどまあいいかと走るが、80km過ぎくらいでかなり疲れてしまい、日ごろの運動不足、走り込み不足を実感した。足がつる〜。
 17時半頃にフラフラになりながら村上の海水浴場にある野潟キャンプ場に着く。少し休んでからテントを張ってから、海を見ながら夕食の準備をする。湯を沸かしていると、夕日がものすごく綺麗に日本海に沈んでいった。日が沈み、イカ釣漁船の明かりを見ながら食事を済ませ、すぐに寝た。

  

 

93.95km   5h36m5s


 

8月12日

 

 朝4時頃、雨の音で目が覚めた。降ったり止んだりだったので、意を決して7時頃に出発した。小雨が断続的に続く中345号線を進む。しかし10時頃には雨は止み、少し日も差して来た。笹川流れと呼ばれる海岸線は、色んな形の岩が海に浮かんでいる。趣のある景色を見ながらペダルを漕ぐ。
 ツーリングマップルを見ると、「道の駅あつみ」に『だだ茶豆アイス』なるものが有ったので、休憩がてら食べてみる。甘さ控えめで中々美味であった。そのまま休んでいると、道の駅のビール売りの兄さんに声をかけられビールを振舞ってもらった(少量)。その兄さんも自転車乗りで、ヨーロッパなども走ったとの事。思わぬところでの自転車乗りとの交流であった。少し話をしてから御礼を言い、出発した。
 その後しばらく走っていると、小さな段差を超えた時に後輪がパンクして急激に空気が抜けた。下り坂でスピードを出していたときなので少し焦ったが、何とか広い場所に停車できた。何かを踏んだのではなく、リム打ちらしいところを見ると、荷物の重さに対してタイヤが弱かったのだろうか?20分で修理を終えて出発。
 昨日と同じく50km過ぎくらいからバテ始める。でも昨日よりはマシな状態で走れた。首も昨日ほど痛まなかった。しかし今日の目的地である酒田市は遠かった・・・。19時頃、酒田市を過ぎた所にある西浜キャンプ場に着いた。テントを張り、温泉に入るが込み合っていたのでさっさと出た。すっかり暗くなっていたこともあり、夕食はコンビニ弁当で済ませた。長く走って疲れていたので、すぐに寝た。

  

119.62km   6h33m27s


 

8月13日

 

 今日も朝方に小雨がパラついたが、すぐに止んだ。朝7時頃に出発。今日は朝からバテ気味で、体のあちこちが痛い。この2日間の疲れがたまっているようだ。これまでの経験から、このテの疲れはあと何日か走れば慣れてくるのだが、今回は今日が最終日・・・これからがいいところなのに〜といった感じ。のんびりとスローペースで走る。
 休憩中に今日の寝場所を地図片手に検討するが、どうも秋田駅近郊にキャンプ場は無いようで、また大きな街で野宿するのも難しそうな気がする。男鹿半島方面に向かえば道の駅も有るのだが・・・どうしようかな〜と悩みながら走り、14時頃に道の駅岩城に着く。しばらく休んでから、キャンプは諦めてユースホステルを予約する。出発しようとしたときに、大阪から来た自転車乗りのクワバラ君と会う。竜飛岬まで行くということだ。今回の旅ではあまり自転車乗りと話す機会が無かったので嬉しかった。
 その後、郵便局でキャンプ道具を小包で自宅に送り、少し身軽になって秋田市街に向かう。風力発電のプロペラ群を見ながら走り、17時頃ユースパル秋田YHに着く。なんかやたら立派なYHで、そこらのビジネスホテルよりも上等で、ちょっとイメージが違う。まあいいけど。ひとっ風呂浴びて秋田駅近くに食事に行き、21時頃就寝。

  

 

123.61km   6h58m15s


 

8月14日

 

 朝6時にYHを出て秋田駅に向かう。秋田駅で自転車を分解する。行きのことも有るので、通常は分解しないフロントフォークまで外して、できるだけ小さくした。でもあんまり変わんなかったか・・・。特急で新潟まで行き、新幹線で高崎に帰るが、意外と電車はずっと空いていて助かった。15時頃帰宅し、今回の旅を終えた。


 

 


 

総評ちょっぴり&『自転車で走る』についての愚考

 

 今回走った道はほとんどアップダウンが無く、景色も良かった。北海道のときとは違いコンビニや道の駅も多くあり、補給の心配もしなくて良かった。天気はやや悪かった代わりに気温も低めであり、全体的に見て走りやすいコースだった。しかし今回は運動不足による体力低下が顕著であり、正直言って初日の時点では『やめて帰ろうか』、『自転車から引退(?) しようか』などと考えたりもした。また、何で僕は辛い思いをして走るのだろう?などと哲学的なところにまで行ってしまいそうになった。
 走っていくうちに、自転車は体力だけではなく精神力も使って乗るものだと実感した。3日間とも半分くらいの行程で体力はとっくに尽きていた。すぐにやめることは出来る。でも、休憩しながら少しずつでも進んでいった。また、バイク乗りやすれ違う自転車乗りと手を振り合ったりすると、たとえ疲れ果てていてもペダルを踏むことが出来る。体力だけでは説明つかないことだ。きっとこのことは今までも無意識のうちにやっていたのだと思う。今回、体力が一番無い状態での走行だったので、今まで以上に自覚したのだろう。精神力という言葉は、3日目に会ったクワバラ君も言っていた。期せずして同じ言葉を考えている人に会ったことで、改めて『精神力』の重要性を感じた。
 走り終えても成績が有るわけでもなく、勝ち負けも無い。少なからず危険もある。残るのは自己満足的な達成感と不思議な形の日焼け跡くらいのもの。でも僕『達』は走る。何故かはまだ分からない。きっと『走りたい病(byだましのしまださん)』なんだろう。そのうち分かるかもしれないので、分かるまで走ろうと思った。
 などと思うことの多い今回の走行でした。何だか、日本の海沿いを全部走りたくなったなぁ。何年かかるかわからないけど。おお、
キャスター台(仮)も改良せねば。そろそろ参号機作ろうかな。